看護師に認められた注射の種類

看護師は、医師の指示により、採血や点滴と同様に注射もすることができます。注射は医療行為ですが、診療の補助として看護師にも認められているのです。注射は刺す部位によって様々な種類があります。注射の種類として、皮内注射と皮下注射のほか筋肉注射に加えて静脈注射と動脈注射が挙げられます。かつて、看護師は血管への注射は認められていませんでした。皮内注射とは、皮膚の表皮と真皮の間への注射で、少量の薬剤しか注入できません。皮内注射の例として、アレルギー診断やツベルクリン反応検査などが知られています。皮内注射は注射針を皮膚に対して平行の角度で差し込み、痛みも少なくて済みます。
皮下注射は、皮膚に対して約30度の角度で皮膚と筋肉の境界まで針を差し込みます。インフルエンザの予防接種や糖尿病患者に必要なインスリン注射は皮下注射です。筋肉注射は、皮下注射の2倍の速度で薬剤を吸収させることが可能になります。筋肉注射なら、静脈に注入できない油性など強力な作用の薬剤も注射できるメリットがあります。また、筋肉注射は皮下注射より倍以上の多量の薬剤を注入できるのです。筋肉注射の例としては、ホルモン剤や解熱鎮痛剤が挙げられます。
皮下注射と皮内注射に加えて筋肉注射は従来から看護師にも認められていましたが、静脈注射は診療行為の範疇として平成になってから医師の指示のもとで看護師も行うことができるようになりました。静脈注射は薬剤が素早く体内に回るため、緊急措置に用いられる手段です。しかしながら、相変わらず動脈注射は医師の医療行為であって、補助行為としても看護師には認められていません。