看護師が覚えておきたい注射の手技

採血は医師の指示のもとに看護師が患者の血管に針を刺し、静脈血を採取する手技です。末梢静脈路確保は、即効性を期待して薬剤を静脈注射するためや、輸血投与を行うために必要な手技になります。どちらの技術も針を直接患者の体に刺すという侵襲度の高い方法になるため、安全かつ確実に実施することが大事です。しかし、新人看護師なら失敗してしまうことも多いので〔看護師のための注射クリニック〕などを参考に注射のコツを掴んでいきましょう。
看護師が注射を行う上で、血管をうまくみつけられるかが一つポイントになります。採血や末梢静脈路確保の可能な部位とは、蝕知可能な表在性の末梢血管です。個人差はありますが、ある程度部位が限定されます。パッとみたときに静脈が怒張していない場合は、まず、肘窩部の肘正中皮静脈や尺側皮静脈などをきちんと確認することが大事です。もし、蝕知できない場合には、患者に手を握ったり開いたりしてもらう、末梢側から注射針を刺す予定の部位にむかって軽くマッサージをする、そのほか、自分の人差し指と中指を使い、血管をやさしく叩くといった方法を行うのが一般的です。
静脈は、一方弁になっているため、アルコール綿での消毒をする際に合わせて、中枢から末梢に向けてしっかりと擦り血流をうながすことも大事になります。それでも血管が蝕知できない場合には、再度、駆血し、蝕知可能な血管の走行をイメージしつつ蝕知するのがコツです。それでも、蝕知できない場合、再度、駆血帯をはずして、腕を心臓より低い位置に保ち、血液がたまってくるのを待って、腕全体を温めるといった方法もあります。これらの手法を組み合わせながら静脈走行の確認を行うことが重要になります。